同族会社の事業承継の仕方



中小企業の経営者にとって、人生最大且つ最後の大仕事、それはスム-スな事業承継ではないでしょうか。
事業承継とは、経営を任せるだけではありません。
ところが、この一点だけでもなかなか決断できな経営者も多いのも事実です。
まだまだ頼りないとか、信用できないとかということでお悩みのようです。
ところが、体力が衰えてきたり、大病を患ったりして、体調が思わしくなくなると、いよいよかな、と考え
出しますか、スム-スな事業承継には時間がかかります。
経営そのものと同じで、計画的に実行して行かなければ、会社そのものの大きなリスクを抱え込む危険があ
ります。
事業承継というものを簡単に言ってしまえば、「会社を誰に引き継ぐか」ということですが、つまり、長男
か次男か、ということがありますが、他の親族、他人、現役役員など、どのように選任するかということも
ありますか、
ところが、事業承継を考える場合、後継者の選任以外、その後継者に事業、経営の手法・ノ-ハウ、の伝授、
さらに、経営者が所有している自社株をどのように引き継がせるか、という重大な課題の解決が必要となり
ます。

まとめると!
①、経営権の承継は誰にするか。
②、自社株等の「財産権」を誰に承継するか。
③、会社の支配権を誰に譲るか。

を決定しなければなりません。


保有株式数と権限の違い
自社株の保有割合で株主の権限が大きく異なります。
従って、このことを考慮して自社株対策しないと、事業承継はたちまち座礁してしまうことにならないとは
限りません。
従って、自社株は、後継者以外の子供たち等に分散して持たせてやりたいという親心もあるでしょうが、将
来その株式が、誰に譲られてしまうか解らないので、可能な限り、100%後継者に承継するのが安定経営
には必要となります。
不用意な株式の分散は、事業を分散することになったり、事業後継者を苦しめる事態にならないとは限りま
せん。


株主の権限
①、3分の1以上の保有者  … 特別決議の拒否権を行使できる。
②、2分の1以上の保有者  … 株主総会で普通決議を単独で可決できる。
③、3分の2以上の保有者  … 株主総会で特殊決議と特別決議を単独で可決できる。

普通決議とは
●取締役、監査役の選任
●法定準備金の取り崩し
●公認会計士の移動決議

特殊決議とは
●株式の譲渡制限を新たに付す場合の定款の変更
●消滅株式等による吸収合併契約の承認
●消滅株式等による新設合併契約の承認など

特別決議とは
●合併などの組織再編
●事業全部を譲渡
●新株の有利な発行
●株式併合
●定款変更など


分散している株式は集約しましょう。
従前は、株式会社を設立するには7人以上の発起人が必要であったため、親族や知人・友人に依頼して、株
主になってもらった少数株主がたくさんいました。
これらの株主の多くは、出資していない名義だけの株主、つまり「名義株」がたくさん見られます。
現在もそのままになっているケ-スを多く見られます。
名義株は速やかに買取り、後継者に煩わしさが残らない対策が必要となります。


少数株主対策
少数株主、特に名義株は速やかに解消するようにしましょう、特にその少数株主が、会社にとって望まない
第3者に譲渡されると混乱を招く可能性が生まれます。そのための対策として、定款を変更して、株式の譲
渡制限を登記することが有効です。

また、少数株主の中には、名義を借りただけで投資はしてもらっていないという人もあります。
経過の知らない、その株主の相続人から実質所有者であると主張された場合、単なる名義だけであるとの主
張は困難となります。
そのため、経緯を理解している当事者が生存している間に真正な名義人に変更する必要があります。
予め「名義貸与承諾証明書」を取り交わせておく必要があります。
但し、「名義貸与承諾証明書」を作成しておいても.信頼性を立証することが困難な場合がありますので、
当事務所では、公証人の「確定日付」を受領するようにしています。
この「名義株式」が多く、且つ株価が高騰している場合は、後継者が名義変更した時点に、想定外の課税に
慌ててしまうという事態がないような対策をしっかり取っておく必要があります。


分散株式の集約方法
①、後継者が他の少数株主から、直接買い取る。
②、後継者が他の少数株主から、贈与してもらう。
③、会社自身が少数株主から自社株(金庫株)として買い取る。
④、会社が後継者だけに増資して少数株主の保有割合を低くして、影響力を低下させる。


保有土地対策
以前購入した土地が、上昇し純資産価額を押し上げている場合。自社株高騰の原因となります。
株価評価額は、純資産価額方式と類似業種比準方式がありますか、一定の規模の会社になると、類似業種比
準方式によって計算されます。
類似業種比準方式で株価を引き上げる要因は、
①、評価基準となる上場会社の株価の上昇
②、相対的に高い配当支払率
③、1株当たり年利益金額が高い
④、1株当たりの簿価純資産額が高いなど

株価が高騰すると、事業承継を困難にします。


自社株評価額の引き下げ策

自社株対策は
「会社利益の圧縮」「資産の圧縮」「会社組織の見直」で挑戦しましょう。

「会社利益の圧縮」
①、退職時に高額な退職金を支払う。
退職金は一定の範囲で認められ、いくら高額でも認められるわけではありません。
役員報酬の最終月の金額、勤続年数、平均功績倍率を基に計算されます。 
予め会社で退職金規定を制定しておき、金額の合理性を立証できるようにしておきましょう。

[オ‐ナ-の退職金計算例]
最終月の役員報酬 勤続年数  平均功績倍率 役員退職金
250万円 40年  3,5倍 3億5千万円
 (注意)
  これだけの金額なら損金に認められますというものではありません。一例です。
  退職金は、その役員の功績に対するものですから、一律ではありません。
  具体的にどの程度のものとするかは、専門家である税理士と十分協議して決定して下さい。


②、生命保険の活用
生命保険は退職金支払い時点に焦点を合わせ契約しましょう。
普段から、会社の節税対策に寄与させながら、退職金を準備することのできる生命保険がありますから、
そのような保険を活用しましょう。
生命保険によっては、全額資産計上し、全く損金に算入できない保険が増えていますので、注意が必要です。
数は少なく探し出すのが大変ですが、全額損金算入できる生命保険があります。
当事務所で準備していますので、ご相談下さい、ご紹介いたします。
退職時期に合わせた保険契約をお勧めします。
全額損金に算入できますので、毎年の法人税等を節減させながら、退職金を積み立てられます。
退職時に解約すると雑収入になりますが、同じ年度内に退職金を支払うと相殺され、法人税の課税はありま
せん。


③、退職金の原資がない会社の場合、「少人数私募債」を活用する手があります。
少人数私募債は、極めて有効な節税対策です。
金融機関からの融資ではありません。
大企業でないと、社債は発行できないと思い込んでいませんか?以前は確かにそうでした。
しかし、現在は株式会社であれば誰でも利用できます。
資金フローの詳しくは、別途お尋ね下さい。その時に詳しく納得して頂けるまでお話し申し上げますが、
一例の概略お話しますと、
仮に、会社に1億円の退職金資金があるとしますと、まずその1億円を退職金の一部金として支払います。
退職金を受け取ったオーナーは、会社発行の1億円の少人数私募債を引き受け、投資額を会社に支払います。
投資されてきた1億円をオーナーに退職金精算金として支払います。
会社は以降、私募債に対する利息をオーナーに毎年支払います。
これで完結です。以降社債満期日に償還します。償還日に合わせて償還資金を準備します。如何ですか?


③、株価の引き下げのため、賞与の支払いは決算期に合わせましょう。
決算時の資金を少なくすることで株価が低下します。
決算の翌月等に賞与の支払いをしても自社株の評価額は下がりません。


④、損金扱いできる役員報酬はできるだけ増額しましょう。
役員報酬は、あまり高額場合は、損金扱いになりません。注意しましょう。
合理的な範囲で決定して下さい。


⑤、オペレ-ティング・リ-スを活用しましょう。
これは、匿名組合に出資することで当初赤字になるで、利益を圧縮することでき、将来は黒字に転換するの
で利益を得ることができる仕組みです。
例えば、航空機ゃ船舶等のリ-スで利用されています。一時的に大きな利益が出た場合の利益の繰延や、大
型の株価対策をしたい場合にメリットがあります。
勿論、投資ですから、リスクがあるので、納得するまでお聞き下さい。
当事務所でも、ご紹介の窓口を持っていますので詳しいご案内ができます。自社株対策、相続対策等で
一時的に大きな損金をつくりたい場合は、ご紹介いたしますのでお問い合わせください。
詳しい説明をお聞きした後で、やるか、やらないかを決めればいいので、聞くだけ聞いてみたいと思われた
時は、お気軽にお尋ね下さい。



「会社資産の整理」
①、所有土地の評価の見直し
広大地、無道路地、都市計画予定地、傾斜地、崖地、高低差のある土地などは正しく評価しているか見直し
て見ましょう。不動産鑑定士による鑑定評価も活用いてみるのも、評価減につき大きな気付きを貰えるかも
しれません。

②、所有有価証券の見直し
含み損の出ている有価証券は売却して損出しましょう。
債務超過になっている子会社を合併して、親会社の株価を下げる対策をしましょう。

③、不良在庫や不良・滞留債権を切り捨てる。

④、不動産を購入して、評価損を利用して自社株の評価を下げましょう。

⑤、含み損を抱えている不動産を処分して自社株の評価減を図る。



「会社組織の見直し」
①、高収益になっている事業部門を分離させ、相続人の会社にする。

②、持株会社を設立して、株価を引き下げる。





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